生活様式の変化に関するアンケート調査
全体サマリー
- 新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、対面・移動を伴わない新たな手段・サービスが社会に広がった。コロナ禍が過ぎ去った今、そうした手段・サービスが国民生活にどの程度定着・浸透しているかを、独自のアンケート調査によって探った。
- まず、テレワークは、現在取り入れている企業は限定的であり、定着に至らなかったといえる。テレワークに期待された生産性向上もさほど大きくなく、会社方針で職場回帰する人も多かった。
- コロナ禍中に進んだとされる「オンライン化」の例として、Eコマースや動画配信等の利用状況を尋ねたところ、比較的若い世代(20代・30代)でコロナ後も生活への浸透・普及が進んでいた。
- キャッシュレス決済は、「利便性の高さ」から、コロナ前よりも利用が広がっている。また、とくに若い女性では「ポイント還元」もキャッシュレス決済の大きなメリットと認識されている。
- 様々な食習慣について尋ねたところ、外食・飲み会はまだ回復プロセスの途上にあった。一方、食事のテイクアウトやデリバリーは、生活への定着・浸透が一層進んでいる様子がうかがえた。
- 旅行や日帰りレジャーも、コロナ前の状況にはまだ復していない。ただ、年代別の違いが大きく、若い世代では回復が進み、高齢世代は回復に遅れがみられる。
- 上記のようなコロナ禍で拡大した新たな手段・サービスを、コロナ後の現在もライフスタイルに取り込んでいる人ほど、生活や仕事の満足度がより向上していることがわかった。
〔一部結果の詳細〕
① コロナ禍の生活変化に対応した人ほど満足度が高い
テレワークを現在実施している人は、「仕事・生活の満足度が最近向上している」の回答割合が高い。勤務形態に柔軟性があるかどうかが、満足度を左右する可能性を示唆している。
キャッシュレス決済の利用頻度がコロナ前に比べて増えた人は、現在利用していない人よりも「生活満足度が最近向上している」の回答割合が高い。日常生活に身近な決済について、複数の手段を積極的に活用しているかどうかが、満足度にも影響する可能性を示唆している。
コロナ禍で増えたフードデリバリーや有償動画配信について、現在利用している人は、これまでに利用したことがない人に比べて「生活満足度が最近向上している」の回答割合が高い。新しい生活習慣が浸透・定着していることが、満足度にポジティブな影響を与えている可能性を示唆している。
② リベンジ消費に積極的な人は満足度が高い
旅行や日帰りレジャーの頻度が「コロナ前より増えた」人は、「生活満足度が最近向上している」の回答割合が高い。いわゆる「リベンジ消費」に積極的な人ほど、アフターコロナでの満足度が高い可能性を示唆している。
旅行・レジャー以外の側面からも、リベンジ消費と満足度の関係性をみてみると、外食・飲み会の頻度、あるいは音楽ライブやスポーツ観戦といったリアルなイベントへの参加頻度がコロナ前より増えた人ほど「生活満足度が最近向上している」の回答割合がやはり高くなっている。
SOMPOインスティチュート・プラス株式会社
統括上席研究員 濱野展幸 050-5476-2854 [email protected]
上席研究員 野田彰彦 050-5472-3861 [email protected]
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