マイナポイント・マイナンバーに関するネットアンケート調査
マイナポイント・マイナンバーカードに関するネットアンケート調査 ~マイナ保険証を中心に利用メリットの訴求が課題~
総括上席研究員 濱野 展幸 | 上席研究員 野田 彰彦
マイナンバーカード
マイナンバーカードのメリット・効果を実感している人は約2割にとどまっている。また、マイナンバーカードの機能を一つでも認知している人が9割いる一方で、マイナンバーカードの取得理由として、個々の機能・メリットを挙げる割合は10%~25%程度と低く、「ポイントがもらえるから」が最大の理由となっている。マイナンバーカード取得推進という政策目的の観点ではマイナポイントは機能したと言えるが、そもそもの魅力度(できること)を増やす必要がある。
マイナンバーカード未取得者のうち、今後も取得しないとする人が挙げる理由として、 「個人情報が適切に扱われるか心配」が約6割に上る。政府としては、カード番号が流出しただけでは個人情報につながらないことや、 マイナンバーカードに紐づく情報をどのように管理しているかを丁寧に説明することが、今後のカード取得向上策になるだろう。
マイナ保険証
「マイナ保険証」も、取得理由の8割は「ポイントがもらえる」であり、マイナ保険証の取得推進という点でマイナポイントは機能したと言える。一方、マイナ保険証の個々の機能を認知している人はいずれも3割未満で、申し込まない理由も「メリットが分からない」が最も多い(約30%)。政府はマイナ保険証の意義をより丁寧に説明する必要があろう。
マイナ保険証を使ったことがない理由として、 「利用できる医療機関・薬局がわからない」「通っている医療機関や薬局で使えない」 がそれぞれ約20%を占めた。どこの医療機関・薬局でも使える状況を早く作り出す必要があろう。
公金受取口座
「公金受取口座」についても、取得理由で最も多いのは「マイナポイントがもらえるから」(7割強)。 また、「給付金の申請手続きを簡単にしたい」という政策目的に適った理由にも35%の回答があった。
将来的な課題
マイナンバーカードに期待する機能として、運転免許証や予防接種記録などに3割以上の回答があった若年層では、スマートフォンへの搭載も4割近い支持を集めた。国民の利便性を高めるためにも、そうした機能拡充を急ぐ必要がある。
あくまでも仮定の話として、マイナンバーを通じて個人資産の情報収集が行われることについて、社会的な必要性を尋ねたところ、必要性を認める回答は2割にとどまった。とくにマイナンバーカードの取得予定がない人の抵抗感が強い。
本編
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