気候変動により増す自然災害の脅威に備える~地域に期待される気候変動対策~
1.はじめに
カーボンニュートラルの実現に向けて企業や自治体が積極的な動きを見せている。一方で、これまで排出された温室効果ガス(GHG)の蓄積によって一定の気温上昇は避けられない。地球温暖化は確実に進行している。近年、自然災害が頻発しており1、今後も気候変動によって自然災害の激甚化・頻発化が予測されている。将来、日本では大雨や短時間強雨の頻度・強さが増加し、日本の南海上で猛烈な台風の存在頻度が増すとの予測だ2。
災害による社会などへの悪影響は、「ハザード(人命・資産に被害を及ぼす自然災害など)」「曝露」「脆弱性」それぞれの大きさに応じて決まる(図表 1)3。例えば洪水発生時の人的被害の大きさは、降雨の強度(ハザード)だけでなく、浸水域の人口(曝露)や避難方法・経路(脆弱性)による。
3つの要因それぞれについて、日本国内の事例や動向とともに概説し、自治体が取り組む気候変動対策の事例から、地域が今後目指すべき取組の方向性を探りたい。
2.災害の影響要因と検討の視点
気候変動に適応するには、将来のハザードを予測し、曝露を減らし、脆弱性を低下させることだ。曝露や脆弱性は、社会環境の変化にも連動して変化するため、今から長期にわたって計画的に対策を進めることが必要だ。3つの要因と、求められる検討の視点について見ていく。
(1)災害によって生じる悪影響を構成する要因
① ハザード
気候変動によって、降雨のパターンや台風の発生状況の変化が予測されている。平均的な気温・降雨量が変化するだけではなく、異常気象と言われる極端現象の頻度や強度も変化する4。豪雨や台風は洪水・土砂災害・高潮などの災害を引き起こし、被害をもたらすため、ハザード5の大きさの変化を予測し、悪影響への対策に繋げていくことが重要となる。
極端現象は自然のゆらぎによって生じ、不確実性を伴うものだ。将来気候下でのハザードについて、その大きさの予測と合わせて、その発生の不確実性を適切に評価することが、リスクの把握には必要となる。そのため、「d4PDF(アンサンブル気候予測データベース)」6の活用が進められている。d4PDFには多数の実験例(アンサンブル)のデータセットが用意されている。気温が2℃または4℃上昇した気候下のハザードについて、その平均的な傾向や、極端現象としての発生傾向を、確率事象として定量的に把握することが可能となる。加えて、過去の気候におけるアンサンブルのデータセットも備えられ、過去と将来気候変動影響との比較も可能だ。
国土交通省は、d4PDFを使用して2℃および4℃上昇時の年超過確率1/100規模の降雨量7を計算し、この計算結果から現在気候に対する将来気候の降雨量変化倍率を設定し、この降雨量変化倍率をもとに河川の流量変化倍率と洪水発生頻度の変化を算出した。2℃上昇時の降水量変化倍率約1.1倍に対して、一級水系における流量変化倍率は約1.2倍(全国平均)、洪水発生頻度が約2倍(全国平均)となり、その影響が非常に甚大であると国土交通省は評価している8。
2022年2月、d4PDFに1.5℃上昇実験データが追加された9。今後はパリ協定の目標とする水準に整合した気候下での影響分析が進展するものと期待される。
②曝露
ハザードによって悪影響を受ける可能性のある場所に、人や資産などが存在することを曝露という10。災害の影響の大きさは、ハザードの大小だけでなく、人口や建造物数といった曝露の大きさにも依存する。気候変動の進行と同時に社会環境も変化していくため、曝露を把握して削減することが災害対策となる。現在の曝露を減らす対策に注目されがちだが、注意が必要なのは、気候変動によってハザードが変化するため、これにより曝露も変化する点だ。例えば100年に1度の大雨によって発生する洪水による浸水域が、現在の気候下と将来の気候下で変化するのであれば、曝露も変化することになる。
曝露の削減対策はまちづくりと密接に関係する。全国の自治体は立地適正化計画の作成・実行を進めており、405都市が計画を公表している(2021年12月末現在)11。立地適正化計画とは、土地利用の計画に加えて居住や都市機能(医療・福祉・商業等)の誘導によってコンパクトシティ形成を推進するものだ。立地適正化計画の作成にあたっては、気候変動を見据えて災害に強いまちづくりとするように国土交通省が方針を示している12。例えば、居住を誘導する区域から災害レッドゾーン13を除くことを原則としている。一方で、居住の自由が憲法で保障されており14、災害レッドゾーンの居住者を他の地域に強制的に移住させることはできない。まちづくりと合わせて居住者をいかに安全な地域へ移転していくか、自治体による促進が期待される15。
③脆弱性
脆弱性は、ハザードによる被害の受けやすさや、ハザードによる悪影響への対処・適応能力の欠如をいう16。災害の影響の大きさは、ハザードの大小や曝露の大きさに加えて、災害時の避難体制や、建物の浸水対策など脆弱性の大きさにも依存する。脆弱性には、インフラ整備を実施するための経済力や技術力、過去の被災経験といった要因も含まれる。
脆弱性を低下させることが災害対策となり、例えば避難体制の強化、住宅敷地のかさ上げや止水板設置が挙げられる。気候変動によってハザードが変化するため、曝露と同様、脆弱性の変化の把握が求められる。
国の避難体制強化の取組を紹介する。災害時に自力での避難が難しい高齢者や障害者等を対象として、避難行動要支援者名簿を作成することが市町村の義務とされ、全国で99%を超える自治体が作成を終えている(2020年10月1日現在)17。一方、令和元年東日本台風(2019年台風第19号)等の近年の災害において多くの高齢者や障害者が被害を受けたことから、優先度の高い避難行動要支援者ごとに、具体的な避難支援方法を個別避難計画として作成することが自治体の努力義務とされた。全国の約3分の2の自治体が個別避難計画の全部または一部の作成を終えている(2020年10月1日現在)18。個別避難計画の作成に留まらず、避難支援の実効性を高めることが課題とされる。また、将来の気候変動影響も考慮していく必要がある。
(2)求められる検討の視点
①長期的な視点
気候変動は徐々に進行するため、長期の時間軸の視点が重要となる。住宅・建築物・インフラ・構造物は、その寿命が数十年単位になるものもあるため、建設にあたっては将来の気候変動によって悪影響が生じないように長期的な計画が欠かせない。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、気候変動の影響に対する適応策において、「多くのイニシアチブ19は、即時的かつ短期的な気候リスクの低減を優先しており、その結果、変革的な適応の機会を減らしている(確信度が高い)」と指摘する20。
②複合的な影響
気候変動の進行と社会環境の変化によって、複合的な影響が生じるケースがある。例えば前述の避難体制では、気候変動によってハザードが変化し、合わせて人口減少や少子高齢化とともに避難行動要支援者数(曝露)が変化し、同時に避難を支援する者の数も変化していく(減少すれば脆弱性が増大する)。つまり、ハザード・曝露・脆弱性すべてが複合的に変化するため、対策にはこれらに適応した取組が求められる。複合的に生じる影響の評価は決して容易なことではないが、多様な要因によって発生しうる事象を予測して対策を考えることは、重要な視点だ。
3.国や自治体の取組
国の取組の方向性と、自治体が取り組む水災害における気候変動対策の事例から、地域が今後目指すべき取組の方向性を探る。
(1)国の取組の方向性
近年、全国各地で激甚な被害をもたらす水災害が毎年のように発生している。これまで災害対策は過去に発生した災害の経験を踏まえて講じられてきたが、気候変動によってこれまで経験したことのない事象が発生していることを踏まえ、国土交通省が方向性を示した。水災害対策を気候変動などの将来のリスク予測に基づくものへと転換させ、治水計画等を将来の気候変動を踏まえた計画・設計基準に速やかに見直していく21。治水計画の見直しには、世界の平均気温が2℃上昇した場合の降雨量を想定するとともに、過去に経験したことのない雨の降り方も考慮すべきと示された22。
また、地域の水災害リスクをより的確に評価できる手法を開発し、気候変動による影響を徹底的に分析するとともに、将来の水災害リスクについてわかりやすく地域社会に情報発信することが必要とされている。地域への影響をより精緻に分析し、対策に繋げていくことが求められている。
(2)長期目標に基づく計画の事例
①葛飾区 浸水対応型市街地
東京東部低地帯は地盤高が海面水位より低い海抜ゼロメートル地帯が広がり、水害に対して脆弱な地勢にある。東京都葛飾区は、気候変動の影響で高まる水害リスクの対策として、治水対策、広域避難対策、浸水対応型市街地づくりの3つを掲げ、「浸水対応型市街地構想」を策定した23。大規模水害発生時に避難できる環境を整備し、浸水後も留まる水が引くまでの間、許容できる生活レベルが担保される市街地づくりを目指す。例えば、浸水を免れるために堤防と一体となった高台のオープンスペース(図表2)や、2週間程度待避できる避難空間を確保する。将来のハザードの変化を見据えて、脆弱性を低下させる取組だ。
特徴的なのは、概ね30年後(2050年代)の実現を目指し、概ね10年ごとの3段階にて目標を設定していることだ。第1段階では広域避難できなかった住民が緊急避難できる空間を確保し、第2段階では外部から救助されるまでの1~3日間の避難生活を確保できる状況とし、第3段階では排水が完了するまでの避難生活を確保できる状況とする目標だ。東京都は「災害に強い首都「東京」形成ビジョン」(2020年)に基づき、モデル地区の高台まちづくり実践に取り組む24が、その中でも葛飾区の長期的な計画は特徴的と言える。
②大阪府 大阪湾の三大水門
大阪湾の三大水門(安治川水門、尻無川水門および木津川水門)は、高潮被害から大阪市域を守るために1970年に整備された。半世紀が経過し老朽化が進むことから、新たな水門を建設することが計画されている25。現水門は、1959年伊勢湾台風と同等の台風が最悪経路(1934年室戸台風経路)を通って満潮時に来襲した場合を想定して、設計されている。新たな水門は2100年を超える供用を想定しており、気候変動の影響を受けることは確実なため、設計条件について検討が行われた。
大阪府は、d4PDFを使用して、2℃上昇気候と4℃上昇気候の高潮シミュレーションから低気圧下の高潮・波浪の影響の推算と、海面水位上昇の推測をそれぞれ行った。気候変動を考慮した水門のゲートの高さは、安治川水門で最も高くなり、現計画よりも2℃上昇気候で1.24m、4℃上昇気候で2.45m高くなる。
この事例は、2100年を見据えて、気候変動によるハザードの変化予測に基づいた対策を、現時点で計画するものだ。
設計にあたっては、将来に向けて手戻りや後悔が生じないことと、現在において過剰な投資とならないことの考慮が必要としている。2℃上昇気候対応として設計することを基本とし、想定を超える外力を見据えて事前対策をとる先行型対策と、将来の気候変動を確認後に対策を講じる順応型対策が考えられ、どちらか適切な対策方法を選択する必要がある。今後も最新の知見を反映させ検討を進めるとしており、どのような判断がされるのか注目される。
(3)リスク情報の活用事例:滋賀県「地先の安全度マップ」
滋賀県は、東日本大震災等を受けて想定外に備える防災・減災の重要性を再認識し、水害リスク情報を「地先の安全度マップ」26(以下「本マップ」)として公表した。土地利用や住まい方、避難行動につなげるための基礎情報として活用している。本マップは、降雨の発生確率3区分(10年に1度、100年に1度、200年に1度)ごとに、想定浸水深や床上浸水・家屋水没・家屋流失などの被害の目安を示したものだ。人命を守ることを最優先に、様々な降雨により想定される河川氾濫や浸水の可能性を地域住民にわかりやすく提示することを目的としている。リスク情報の理解によって、地域住民の自発的な気付きや避難など具体的な行動を促すことが期待されている。そのため県の職員が地域住民とのリスクコミュニケーションに努めている27。
滋賀県は、本マップを政策にも活用している28。10年に1度の発生確率の降雨による想定浸水深が0.5m以上となる土地は、原則として新たに市街化区域29に含めないものとしている。200年に1度の発生確率の降雨による想定浸水深が概ね3mを超える土地で、県から指定された区域においては、新たな住宅の建設を規制できると共に、既存住宅の地盤面のかさ上げ工事費の補助制度を設けている。本マップを基礎情報として各種対策に取り組むことは、気候変動への大きな備えになるとしている30。
それぞれの取組は、曝露の抑制や脆弱性の低下に寄与していく。
滋賀県が先進的に取り組んだ発生確率別ハザード情報は、国土交通省がまとめた「水災害リスクを踏まえた防災まちづくりのガイドライン」31にも取り込まれ、今後は全国での活用が期待される。更には、現在の気候下におけるハザードだけでなく、まちづくりに必要な時間軸を見据えて、将来の気候下でのハザードによって生じる影響を考慮したリスク情報の展開が望まれる。
4.むすびに
まちづくりやインフラ整備には長期的な計画が求められるため、将来の環境変化と合わせて気候変動の影響の考慮は欠かせない。地域においては、例えば2050年など目標とする時期を掲げ、気候変動によるハザードの変化からその影響を的確に捉え、社会環境の変化と合わせて曝露の削減と脆弱性の低下への取組が期待される。地域固有の影響や対策を自治体が独自で分析するのは容易ではなく、当面は研究者など専門家との協働は必須であろう。一方で、多様な研究や先進的な取組が進み、自治体にとって実装可能な手法が確立されていくことが期待される。
特に、リスクの高い地域から低い地域へ住民を移転することで、災害によるリスクを大きく低減できるものの、居住の自由により強制的な移転はできない。住まい方や土地利用を変える対策として、土地利用の規制、移転の誘導、移転による経済的インセンティブ付与などが挙げられる32が、地域住民の理解と納得の醸成が前提となる。ハザード予測などのリスク情報を地域住民にわかりやすく伝え、リスクコミュニケーションを図ることで、地域ごとの課題が明らかになる。自治体にはその実現に向けた道筋を示していくことが期待される。
- 国土交通省 Web サイト(visited Mar. 10th, 2022)
https://www.mlit.go.jp/river/bousai/bousai-gensaihonbu/1kai/pdf/sankou.pdf - 文部科学省・気象庁「日本の気候変動 2020 —大気と陸・海洋に関する観測・予測評価報告書—」(2020年)によると、1日の降水量が100mmあるいは200mm以上となる大雨の年間の日数は、20世紀末(1980~1999年平均)と比べ、21世紀末(2076~2095年平均)には全国平均では増加すると予測される。1時間降水量が50mm以上となるような短時間強雨の頻度も、同様に全国平均では増加すると予測される。また、地球温暖化に伴う台風の将来変化を予測した研究や、仮想的に地球温暖化が進行した状態で過去に発生した台風のシミュレーションを行った研究では、地球温暖化に伴い日本付近では台風の強度が強まる結果となったものが多い。
- IPCC “Climate Change 2022 Impacts, Adaptation and Vulnerability Summary for Policymakers”, Feb.,2022
- IPCC “Climate Change 2021 The Physical Science Basis Summary for Policymakers”, Aug.,2021
- 堤防・水門などのインフラ整備状況によって洪水・高潮による浸水状況は変化する。本稿では、インフラ整備状況はハザードを構成する要因として整理する。
- 文部科学省の科学技術試験研究委託事業による委託業務である「気候変動リスク情報創生プログラム」が作成した「地球温暖化対策に資するアンサンブル気候予測データベース」
- 100年に1回の確率で一定規模を超える降雨が発生する場合のその降雨量の規模
- 国土交通省「気候変動を踏まえた治水計画のあり方 提言 改訂版」(2021年4月)
- 「地球温暖化対策に資するアンサンブル気候予測データベース、database for Policy Decision making for Future climate change (d4PDF)」Web サイト(visited Feb. 27th, 2022)
https://www.miroc-gcm.jp/d4PDF/index.html - 前掲注 3 では、悪影響を受ける可能性がある場所及び環境の中に、人々、生活、生物種、又は生態系、環境機能、サービス及び資源、インフラ、もしくは経済的、社会的、文化的資産が存在することと定義される。
- 国土交通省 Web サイト(visited Mar. 2nd, 2022)
https://www.mlit.go.jp/toshi/city_plan/content/001465256.pdf - 国土交通省「立地適正化計画作成の手引き」(2021年改訂)
- 災害危険区域(崖崩れ、出水等)、土砂災害特別警戒区域、地すべり防止区域、急傾斜地崩壊危険区域、浸水被害防止区域および津波災害特別警戒区域
- 憲法第22条
- 国土交通省 Web サイト(visited Mar. 7th, 2022)
https://www.mlit.go.jp/toshi/city_plan/toshi_city_plan_tk_000070.html - 前掲注 3 では、悪影響を受ける性向あるいは素因と定義され、脆弱性は被害への感受性又は影響の受けやすさや、対処し適応する能力の欠如といった様々な概念や要素を包摂している、とされる。
- 総務省「避難行動要支援者名簿の作成等に係る取組状況の調査結果」(2021年)
- 同上
- 企業・自治体・団体など各主体の行動指針や原則
- 前掲注 3
- 国土交通省「気候変動を踏まえた水災害対策のあり方について」(2020年)
- 国土交通省「気候変動を踏まえた治水計画のあり方 提言」(2021年改訂)
- 葛飾区「浸水対応型市街地構想」(2019年)
- 東京都「高台まちづくり推進方策検討ワーキンググループ 規約」(2021年)
- 大阪府「三大水門(安治川水門・尻無川水門・木津川水門)の更新について」(2019年)
- 滋賀県 Web サイト(visited Mar. 6th, 2022) <https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/kendoseibi/kasenkoan/19581.html>
- 瀧 健太郎「リスクベースの氾濫原管理の社会実装に関する研究 ―滋賀県における建築規制区域の指定を事例として―」(2018年)
- 滋賀県「滋賀県流域治水の推進に関する条例(平成 26 年条例第 55 号)の解説」(2014年)
- すでに市街化を形成している区域及びおおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域。都市計画法では、無秩序な市街化防止と計画的な市街化のために、市街化区域と市街化調整区域とを区分できるとしている。
- 国立環境研究所 A-PLAT(気候変動適応情報プラットフォーム)Web サイト(visited Mar. 6th, 2022)
https://adaptationplatform.nies.go.jp/articles/case_study/vol25_shiga.html - 国土交通省「水災害リスクを踏まえた防災まちづくりのガイドライン」(2021年)
- 同上
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